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2月25日(水)当社が提供するラジオ番組に慶応義塾大学 経済学部教授 細田衛士先生がご出演
細田先生は世界を身体に例え「身体を作る動脈」と「老廃物を身体の外に出す静脈」とのバランスの観点から廃棄・汚染などの問題を解決する環境経済学を推進されています。10年前までPETボトルの使用に反対しておられましたが、これは「動脈」のみが整備され、バランスが取れていなかったとの考えからで、「静脈」であるリサイクルシステムが進歩を遂げ、整備された現在においてはPETボトル推進派であり、また国内でのPETボトルリサイクル推進派でおられます。
これまで中国の強い需要が資源として利用可能な使用済みPETボトルの価格を押し上げ、日本からも大量に中国に輸出されていました。ところが先の世界経済の悪化により、中国が使用済みPETボトルの輸入を停止、日本国内にPETボトルがあふれかえり、急遽容器包装リサイクル協会に登録されたリサイクル事業者がこれらを引き取り、ようやく解決するという事態が起こりました。
使用済みPETボトルも「市場経済に任せて欲しい人に売ればよい」との考え方がよく聞かれますが、汚れたままの使用済みPETボトルがそのまま中国に流れていってしまうという状況が生まれている事実もふまえると、使用済みPETボトルは「ごみ」「再生可能な資源」という二面性を持っており 、細田先生は「使用済みPETボトルのリサイクルというのは「ごみとして適正処理する」と「資源にする」という二つのことが同時に実行されなければならない」と主張されました。
「日本には非常に優れたリサイクル技術がたくさんあり、環境を汚さずに良い資源が取り出せる。日本で生まれた使用済みPETボトルは国内でリサイクルし、きれいな原料にして輸出することならかまわないのでは」とお話をされました。